LG SOLAR MAGAZINE
No.003

導入コストと維持管理コストが不要な『PPAモデル』とは

「自社で使う事業用の電源を太陽光発電でまかないたいが、莫大な初期投資や維持管理コストは正直きつい」このように資金調達で導入を躊躇している企業様に、導入コストと維持管理コストが不要な『PPAモデル(第三者所有モデル)』が注目されています。

「近い将来、社会の風潮として事業活動における脱炭素への取り組みが強く求められる」そう感じている企業経営者は少なくないでしょう。 しかし、太陽光発電を使って事業に必要な電力をすべて賄おうとするなら、莫大な初期投資が必要になるなどの理由から着手することに躊躇しがちです。
太陽光発電のシステム費用や施工費は、数年前と比べると下がってきてはいるものの、設置する規模が大きくなると、それ相応の費用がかかってしまいます。
また、設置後には定期的な電気的検査やメンテナンスをしなければならず、その業務にあたる専門スタッフを配置することも検討しなければなりません。

このように、できれば取り組みたいけれども、初期の導入コストや維持管理コストが障壁となり、前進できない。そういう理由で地団駄を踏んでいる中小企業経営者には「PPAモデル」を検討してみることをお勧めします。
PPAモデルとは、Power Purchase Agreementの略語で直訳すると「電力購入契約」を表します。
PPAモデルは「太陽光発電の第三者所有モデル」とも呼ばれており、その名の通り、第三者が所有する太陽光発電システムの電力を自社が使用する、新しいエネルギーの受給構造のことです。
近年では、この仕組みを国が強く推進しており、PPAモデルこそが日本の脱炭素社会の実現に向けたもっとも有効な手段という位置づけとなっています。

PPAモデルの概要

PPAモデルは「PPA事業者」「施設所有者」「電力使用者」の三者で構成されますが、施設所有者と電力使用者が同一であっても、構成上に問題はありません。
実績の多くは、電力使用者(企業)が所有する空き地や駐車場、工場などの屋根などに太陽電池モジュールを設置しています。
設置にともなうすべての機器や施工に必要な費用はPPA事業者が全額負担するため、電力使用者の負担はありません。
さらに設置後に必要な点検・メンテナンスなどもPPA事業者でおこなうため、維持管理コストも不要です。
電力使用者はPPA事業者から電力を購入するのみ、といった、とてもシンプルなビジネスモデルです。

PPAモデル導入で得られる8つのメリット

これほどシンプルなビジネスモデルなのですが、電力使用者が得られるメリットは多岐にわたります。

メリット1:初期導入コストが不要

冒頭でも述べたように、太陽光発電のシステムを使用し、企業の事業活動で必要なすべての電力を賄おうとすると、相応の設備投資額を準備しなければなりません。
しかし、PPAモデルではPPA事業者が発電に必要な機器、施工に関する一切の費用を負担するため、電力使用者は太陽光発電のシステムが実質、ゼロコストで調達することができるのです。

メリット2:維持管理コストが不要

初期の導入コストと同様に、定期的な電気や機器の点検またメンテナンス業務においても、PPA事業者がおこなうため、電力使用者は維持管理コストを負担することがありません。
参考までに、太陽光発電システムの維持管理コストは、設置環境などにもよりますが、概ね100kW/hのシステムで保険料なども含め、年間約15万円程度が必要になります。

メリット3:電気代が安くなる

毎月、送付される電気代の明細を見ると「再エネ賦課金」という項目があり、使用量に応じた金額が徴収されています。 これは2012年からはじまった、国による再生可能エネルギーの普及を目的としたFIT制度(電力の固定価格買取制度)にともない、供給する電力会社が半ば強制的に企業や個人に対し、再エネ普及への協力負担金として徴収されているものです。 一方、PPA事業者は、電力使用者に対して賦課金の請求をしないどころか、PPA事業者独自の料金プランがあるため、これまでよりも安く電力を購入できるケースがあります。

メリット4:電気使用者が独自でシステムをプランニングできる

PPAモデルでは、PPA事業者がシステムに要する設備費や施工費を負担しますが、システムのプランニングは電気使用者ですることができます。
例えば、太陽電池モジュールの選定から設置容量をはじめ、蓄電池と併用した使い方など事業活動の内容に沿ったシステムを自由にプランニングできるのです。 ある企業では、社用車としてEV車をシステムに組み込み、充放電させることで蓄電池としての役割を持たせています。

メリット5:災害で停電した場合でも事業活動ができる

近年、風雨災害による長期間停電の発生を目の当たりにすることが多くなっています。
太陽光発電システムによる電力供給は、このような災害時に本領が発揮されることが広く知られています。
あらゆる業種において、企業の事業活動が電力の安定供給のうえにあるといっても過言ではなく、もしもの災害停電が起きた際でも事業活動の停止を回避することができます。

メリット6:会計上のオフバランス化

三者で契約するPPAモデルにおいて、太陽電池モジュールや周辺機器はPPA事業者に所有権があります。
よって、PPA事業者以外の二者は高額な資産を所有せずに済むことから、貸借対照表上で負債リスクがなく、会計上においてオフバランス化が図れることになります。
オフバランス化は企業の収益性を示すROAの改善につながるメリットがあります。

メリット7:ゼロカーボン企業として事業活動ができる

今や、大企業や地方自治体だけでなく、ゼロカーボンへの取り組み要求は、中小零細企業にまで及んでいる時代です。
「RE100」や「RE Action」の取り組みにまい進する多くの企業は、事業の商流に必要なすべてのエネルギーをゼロカーボンとするため、商流内での取引企業を取捨選択することになります。
PPAモデルを導入し、自社で使用する電力を太陽光発電による再生可能エネルギーへと方向転換させることで、自社もゼロカーボン企業となり、時代に即した経営基盤を構築することができます。

メリット8:契約の期間が満了した後は発電システムが譲渡してもらえる

PPA事業者との契約には一定の期間が設けられますが、契約期間が満了した暁には、設置されている太陽光発電システムの設備一式が、電力使用者に譲渡されます。
太陽電池モジュールの耐用年数は30年以上ともいわれる中、こまめにメンテナンスされてきたシステムが譲渡されれば、これまでと変わりない状態で、電力の無料化が実現します。

PPAモデルを導入するときの留意点

多くのメリットが享受できるPPAモデルですが、導入する前にいくつかの留意点について理解をしておく必要があります。

PPA事業者と長期的な契約を結ぶ

当然のことですが、PPA事業者はシステムの設備にかかるすべての費用を負担するため、電力使用者へ請求する電気代で、その費用を回収しなければなりません。
そのため、契約期間が20年前後となり、それを満たさずに解約する場合は違約金等が発生する可能性があります。

自社所有に比べ経済効果が薄い

モジュールなどの機器や施工費などを自己負担で設置し、自社で太陽光発電を運営する場合と比較すると、実質的な電気代の経済効果は薄くなります。
そのため、自社の業種や資産状況を考慮したうえで、得られるメリットと天秤にかけて判断することが大切です。

譲渡後の維持管理コストは自己負担

契約満了後にPPA事業者から譲渡された後は、自社で管理しなければなりません。機器の経年劣化によって故障が発生し、交換が余儀なくされる可能性もあります。

PPAモデルと自社所有ではどちらが有利なのか

前述の留意点をみたときに「結局、PPAモデルと自社所有ではどちらが自社にとって有利なのか」といった疑問がでるかも知れません。 結論からいうと、自家消費型としての太陽光発電システムに全額投資できるのであれば、自社所有に経済的優位性があるといえるでしょう。
本来、PPAモデルの枠組みを国が推進している背景には、再生可能エネルギー分野におけるサプライチェーンの脆弱性が顕在化したこと、そして、高額な初期の導入コストや維持管理コストを抑えることで、普及率を向上させる意図があります。
多くの中小企業がゼロカーボンに取り組むには、高額なコスト負担は免れません。当然、それにともなうリスクも少なからず負うことになります。
このような事情からみると、現在、体力に十分な自信がない企業にも次世代経営に立ち遅れない機会だと捉えることができます。
PPAモデルを足掛かりにすれば、いずれは自己所有のシステムとなるのですから、ゼロカーボン企業となるステップに最適なビジネスモデルといえるでしょう。

PPAモデルの導入に精通したスタッフが承ります

PPAモデルの導入に関するお問い合わせは、ここ数年の間で急激に増加しており、当社でも精通した専門スタッフを増員して対応しております。
PPAモデルでは契約条件の確認をはじめ、設置場所や電力の消費量と設置容量とのバランス設計など、プランニングを含め多くの確認作業があります。
導入の検討において、ご不安な点もあると思いますが、ご相談企業様がPPAモデルにおけるメリットを最大限に享受できるよう、LGの実績と英知を存分に活かしてお応えいたします。